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【ITこぼれ話】日本はガラパゴス?それとも最先端?意外と知らないNFCのA・B・F

こちらをごらんください。
とある日、長蛇の列が出来た秋葉原駅のエスカレーターでございます。

東京のラッシュアワーあるあるの光景ですね。
東京駅、新宿駅は更にハードモードですね。
横浜駅もだいぶ高難易度の弾幕シューティング状態です。
この人数が一斉に短時間に出入りする場所といえば……そう、駅の改札。
首都圏のサラリーマンならほぼ100%が持っているICカードやスマホを片手に、ピッ!ピッ!ピッ!と走り抜ける速度で通過します。
その速度、一人あたり目測で1秒。
最大混雑時の時間あたりの処理人数は推定2~3人/秒…。
ICの読み取り速度は超重要です。のんびりちんたら読み込んで「ぽん……………ピッ!」なんてやってたら改札止まりますね。

なぜ日本だけがNFC-Fを採用してガラパゴス化を選んだのか

世界的に普及しているのはNFC-A/B。
全世界規模で見れば電子決済サービスに採用されているのは圧倒的にNFC-A。
米モトローラが開発したNFC-Bも、安全性も高く、日本でも免許証や住基カードなどに採用されています。
ならもう全部AとBでいいじゃん……。
と言いたいところなのですが…ここでこの動画をご覧ください。
帰宅ラッシュ少し前の秋葉原の改札の風景です。

ICカードをかざし、ノンストップで流れるように改札を抜ける人々…。
JRが非接触ICカードを導入するときに、1つの改札を1分間に最高60人が通過するラッシュアワーの新宿駅の改札を詰まらせないために出した条件は「読み取り速度0.1秒」……そしてそれをクリアしたのはSONYが開発したFeliCaだけでした。
世界中が舌を巻く超絶過密ダイヤを抱え、世界随一のラッシュアワーを持つ、日本ならではの事情だったのです…。

開発のパワーで乗り越えた規格の相互化と国際標準化規格の壁

NFC-Fの読み取り速度とセキュリティ性の高さは世界的にも認められています。
なら世界標準はFeliCaでいいじゃん……。
と、こ、ろ、が。
近接型非接触ICカードの国際標準化機構規格は、「ISO/IEC 14443 TypeA/B」
現NFC-FことFeliCaは単独では国際標準化規格ではないんですね…。
先に規格として開発が始まっていたFeliCaが世界的に普及しなかった事情は諸説ありますが、「非常に高性能すぎたがゆえに、色々なコストが高すぎた」のが最も原因として大きいと言われています。
しかし、標準化を諦めたら完全にガラパゴス化。SONYのいつものやつじゃん…とか言っておれません。
そこでSONYは全世界の7割のシェアを占めているType2(MIFARE Ultralight)を開発したNXPセミコンダクターズと近距離無線通信「NFC(Near Field Communication)」を共同開発。
NFC-F(FeliCa)とNFC-A(MIFARE)を内包する規格を開発し、「ISO/IEC 18092(NFC IP-1)」を取得。NFC-F規格として国際標準化規格に。
「FeliCa単体で国際標準化規格になれないなら上位互換作って規格化しちゃえばいいじゃん!!」なんというパワーゲー…。
こうして「世界標準化規格を持つNFC」という存在が登場しました。
はたしてNFCは世界中で規格の互換が進み標準化する、ボーダレスの始まりとなり得るのでしょうか。

次回:NFCの国際標準化はカード決済になにをもたらすのか?

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