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【ITこぼれ話】進む電子マネー化、観光で流れ込む海外マネーとInsurTechへの変化と影響

中国のアプリ決済がそのまま使える日本の薬局の看板

こんにちは弐号機です。
東京オリンピックまであと2年となりました。
超絶ラッシュアワーの東京駅で、海外観光客が立ち尽くす姿を毎朝眺めながら(日本のインフラ力をもってしても耐えきれるんだろうか…)と思う今日このごろです。
地方から来た友人がヤエチカで呆然としながら「どの案内看板見ても東京駅って書いてある…」と呟いていたのを思い出します。そうね、全部東京駅だよね。
さてこのラッシュアワーでも留まることのない人の流れを支えているのが非接触ICカードなのは前回お話したとおり。
東京だとSuicaやPASMOがメジャーですね。
これらに搭載されているICはNFC-FことFeliCa。
日本とアジアの一部にだけ普及した、国際標準化規格を持ちつつも独自規格ともいえるNFC-F。
高機能ながらガラパゴス化したこのICが、iPhone7から標準搭載になったのはちょっとしたニュースになりました。
日本販売の端末の独自仕様かと思われたものの、分解検証によると海外版にもICチップが搭載されていました。

iPhoneに搭載されたことが意味する、電子化によってシームレスになる観光マネー

今までガラパゴス化を突き進んでいた日本の電子マネーとスマホ。
iPhone7にFeliCaが搭載されたことで、AndroidPayとApplePayの2つのスマホ決済がシェア争いを本格化してきたことは、2016年から折々に言われています。
世界的に見るとシェアを落としつつあるiPhoneにとって、未だ根強く大きな市場である日本に対応して端末にFeliCaのチップを搭載したAppleの狙いは、拡大する観光需要のマネーではないかということも既に何度となく話題になってきました。
対するAndroidは、FeliCaのチップが搭載されていないNFC端末でも擬似的に処理が可能な「HCE-F」というシステムを、Android7.0から搭載しました。
日本でこそおサイフケータイは当たり前になっていますが、海外ではNFC-Fはあくまでもガラパゴス技術。
海外の観光マネーの流れを握るためには多様なメーカーが端末を開発、販売するAndroidにとって、エミュレーターをOS側に搭載することが最短の対応方法でした。

NFC-FのICを搭載していない端末にFeliCa機能を追加する「HCE-F」とは

HCEはHost-based Card Emulationの略で、その名通りホストだけでカードエミュレーションを行うシステムです。
FeliCaに対応した「HCE-F」は、SONYが開発・提供し、FeliCaの普及を目的に無償で技術が公開されています。
これによって海外で使われているNFC搭載の端末が、国内の電子マネー決済に対応するのではないかというのは、技術が公開された2016年から期待され、注目されています。
ただ、開発元であるSONYとしては、最初はFeliCaの高いセキュリティを必要としないクーポンなどのアプリケーションでの使用を想定しており、まだセキュリティ面からも決済への一般的な実用には到達していないようです。
AndroidPayは楽天Payに対応していますが、まだSuicaやクレジットカードの決済までは未対応です。
とはいえ、2020年までの2年の間に、システムが実用に追いつくのは間違いないでしょう。

ボーダレスになった海外観光客の電子マネーがFinTech、InsurTechにもたらすもの

日本を観光する海外客にとって、自分のスマホが日本の電子決済に対応し、空港を降りてすぐに日本円の決済ができることは、消費へのハードルを下げます。
それと同時に、自国の通貨と日本円との垣根は今までよりも格段に下がることになります。
スマホ画面でポチポチと押すだけで電子マネーがチャージされ、あるいはかざすだけでカード決済ができ、手軽に購買・消費行動が進むわけです。
AndroidとAppleのPay戦争は、普及しつつあるアプリ決済よりもさらに、海外観光客マネーのボーダレス化を推し進めていく可能性を秘めています。
もちろんアプリ決済も、ハードウェア面での垣根の低さから普及が進んでいます。
一例として中国のWeChatPayment。
見慣れたこのステッカーの隣に……

中国のWeChatPaymentのロゴ。

多くの店がWePayに対応する秋葉原では、中国の観光客は自国にいるときと同じ感覚で購買行動がとれています。
お金のボーダレス化が進むということは、今まで帰国してからの対応だった様々な保険も、アプリを通して素早い査定と支払いを期待され、それが当たり前になっていくわけです。
観光客はスマホから保険に加入したり支払いを申請し、短時間で処理される結果をスマホの画面で確認するのが当然になっていくでしょう。
つまり、「素早く」「多様で」「細やかな」対応ができるInsurTechはますます重要性を持ち、保険ビジネスが加速していく未来がすぐそこに待っているのです。

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